農薬を使用した野菜は栄養価が下がる?有機・無農薬野菜との比較

最終更新日

有機・無農薬野菜

先日ママ友と近所にできたオーガニックレストランの話をしていて、少し気になるウワサを聞きました。
それは「農薬を使用した野菜は、栄養価も低い」というもの。

もともと野菜には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていますよね。
農薬が身体によくないことはもちろん知っていましたが、本当に栄養面にもその影響は出るのでしょうか?

そもそも私は、有機野菜と無農薬野菜との違いもよく分かっていませんでした。
そこでこれを期にいろいろ調べてみて分かった、有機野菜・無農薬野菜と栄養価の関係について今日は少しお話してみようと思います。

有機野菜と無農薬野菜の違い

「有機野菜」や「無農薬野菜」という言葉、最近ではすっかりなじみ深くなりましたよね。
食の安全性への意識が高い人が増えている証拠じゃないかな、と思います。

有機野菜にも無農薬野菜にも「環境や身体に優しい」という漠然としたイメージがありますが、その違いって分かりますか?
この2つには、実は大きな違いがあったんです。

有機野菜(オーガニック野菜)とは

有機野菜とは、農林水産省が決めた有機JAS規格と呼ばれる生産条件にのっとって栽培されたもののこと。

今の日本では認定機関によって許可が出ないと、「有機」や「オーガニック」とは名乗ることができないようになっています。

勝手に名乗った場合、法律で罰せられることもあるんですよ。
ではこの有機JAS規格とは、具体的にどういったものなのでしょうか?

細かな取り決めはありますが、主にこの3つのルールを守ることがその条件です。

  1. 2年以上の間(作物の種類によっては3年以上)、禁止されている農薬や化学肥料を使っていない土壌で栽培すること。
  2. 栽培中も、原則として禁止されている農薬や化学肥料は使用しないこと。
  3. 遺伝子組み換えがされた種や苗は使わないこと。

 

ちなみに、「オーガニック野菜」「有機野菜」「無農薬野菜」それぞれの違いがよく分からないという方もいるかもしれませんね。

「オーガニック=有機」という意味ですので、この2つは基本的に同じものと考えてOKです。

ただし、「オーガニック=無農薬」ではありません。

無農薬野菜とは

一方の無農薬野菜は、読んで字のごとく、農薬無しで栽培された野菜全般のことを指します。

両者の大きな違いは、禁止されていない一部の農薬は使用できる有機野菜に対して、無農薬野菜は全く農薬を使わずに育てたものを指すということ。

ちなみに有機野菜も無農薬野菜も、化学肥料は原則として使用しないというルールもあります。

農薬使用による栄養価の違い

それでは農薬の使用の有無と栄養価には、何か関連性があるのでしょうか?
農薬野菜と有機・無農薬野菜との栄養価の違いは、科学的な報告がなされています。

実はこの分野の研究は、日本でも海外でもあまり進んでおらず、最近までデータが足りないなどの問題があったようです。
そのため、農薬野菜とオーガニック野菜の栄養価の違いには諸説ありました。

例えば2009年に発表されたイギリスの英国食品基準庁(FSA)の調査によると、オーガニック野菜が栄養学的に特別優れているという根拠は認められないという結果が出ました。

また、2012年にアメリカのスタンフォード大学が行った調査でも、同じような結果が出ています。

オーガニック野菜の方が栄養価が高いというデータもある

しかし、より最近の2014年に行われたニューキャッスル大学の研究によると、オーガニック野菜の方が農薬野菜に比べ、ポリフェノールなどの抗酸化物質が最大でなんと69パーセントも多く含まれていることが分かりました。

抗酸化物質は、体内の活性酸素を抑える働きをするため、アンチエイジングに効果的だとされている栄養素です。

残留農薬や有害物質が少ないのはやはり大きなポイント

これに加えオーガニック野菜は、残留農薬やカドミウムなどの有害な重金属濃度の検出率が低いことも、科学的にきちんと証明されました。

つまり農薬などの危険性が少ないだけではなく、栄養価的にも一般的な農薬野菜より優れていると考えることもできます。

必ずしも無農薬野菜は栄養価が高いとは限らない

上記の実験結果から、「オーガニック(有機)野菜は栄養価が高い」と結論づけるのは少し気が早いと思います。

例えば、「ビタミンCは増えても、カロテンは下がった」といった場合、ひとくちに栄養価のアップダウンは判定できませんよね。

また、野菜の栄養価を左右するカギは、農薬を使用しているか否かだけではありません。
野菜がもつ「旬」と栽培される環境も、大切な要素のひとつです。

旬の時期によって栄養価は倍以上変わる

例えばトマトの場合、旬のものとそうでないものでは、βカロテンの差がおよそ2倍。
ほうれんそうでは、含まれるビタミンCの量がおよそ3~4倍も違うんです。

同じ量の野菜を食べても、旬の時季かそうでないかによって、これだけの差があるんですよ。

もうひとつ大切なのは、野菜が育てられる環境です。
意外かも知れませんが、すべての無農薬野菜が必ずしも栄養価が高いとは言えないんです。
なぜでしょうか?

土の養分のバラつきによっても栄養価は変わる

先ほどもご説明した通り、基本的に無農薬野菜には農薬はまったく使用されません。

しかし、農薬の影響がないということは、それだけ栽培の仕方や土壌の影響を受けやすいということ。

ただでさえ無農薬野菜は、他の農薬野菜や有機野菜と比べてみても、疫病や害虫のリスクが高く、栽培には圧倒的に手がかかります。

そのため、いくら手間暇かけて丁寧に作られても、土からの栄養を充分に吸収したものとそうでないものでは、大きな違いが出てきてしまうのです。

さらに無農薬野菜には、有機野菜のような認証制度がありません。
手間ひまをかけて大切に作られた無農薬野菜かそうでないかの違いは、自分の目で判断するしかありません。

栽培環境によって栄養価も大きく変わる

今回調べてみて思ったことは、同じ野菜でも栽培方法や環境によって、想像以上に栄養価にばらつきがあるということです。

「有機・無農薬野菜」と書かれていると、何だかそれだけで健康に良い気分になりますが、早急に結論づけるのは気が早いかもしれませんね。

「栄養をとるか、農薬をとるか」といった極論にもなりかねませんが、今まで当たり前だと思っていたことから見直して、あらためて家族の健康を守っていきたいと思いました。

この記事の出典元

関連する記事